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太刀魚ハイブリッド釣法のススメ

波止のタチウオ釣りにはテンヤ釣りをはじめ、ウキ釣りやノーシンカー釣法、ワインドやショアジギング、ミノーイングなど様々な釣り方があります。
どれも一長一短あり、状況によって使い分けることで釣果をアップさせることができますが、頻繁に釣り場へ足を運んでいる情報に長けた人ならともかく、たまの休みに釣行するようなごく一般的な釣り人では、状況に合わせた釣りをするのはなかなか難しいと思います。
タチウオの食いの傾向をざっくり大きく2つに分けると、「動きに反応するケース」と「匂いに反応するケース」があり、動きに反応する場合はルアー釣り、匂いに反応する場合はウキ釣りが効果的で、ほぼ中間に位置するのがテンヤ釣りといえます。
超スローな誘いや切れのよいアクションに反応が偏る状況以外は、ある程度幅広い状況に対応できるテンヤ釣りですが、デメリットといえば、エサ持ちが悪く、エサの交換が面倒なことが挙げられます。
今回ご紹介する「太刀魚ハイブリッド釣法」は、そんなテンヤ釣りの弱点を補い、かつワームのアクションでさらにタチウオを誘うことができる効率的な釣り方。
ワームの動きとエサの匂いの両方の要素で攻められるので、様々な状況に対応することができ、初心者の方でも簡単に爆釣することが可能です。
ぜひ下記の釣り方をご一読いただき、今シーズンは太刀魚ハイブリッド釣法にチャレンジしてみてください。

■タックル
用意していただくのは、普段タチウオのテンヤやワインド、ルアー釣りに使っている波止竿やルアータックルでOKです。
個人的には8フィート前後のワインド用ロッドやエギングロッド、先調子のシーバスロッドが使いやすくてオススメです。
ラインはナイロンでもPEでもOKですが、しゃくる釣りをするなら断然PEをおすすめいたします。
ナイロンなら3号前後、PEなら0.8号前後で、リーダーはフロロ4号を1mほどとり、先には歯で切られるのを防ぐための付属のフロロリーダーや、リーダー先糸太刀複合メタルのようなリーダー先糸を20~30cmほどとっておきましょう。
接続はスナップでOKです。
夜間の釣りでは、自分はもちろん周りの人へテンヤの位置を把握してもらうため、先糸付近に発光体のハイライト37か50をセットしておくとよいでしょう。
スナップの先には、包ワームをセットしたピンテンヤを接続しますが、通常のワームにはない使い方をしますので、アイテムをそれぞれご紹介させていただきます。

包ワーム
タチウオが動きに反応する時も、匂いに反応する時にも効果的な、太刀魚ハイブリッド釣法の主役となるのが「包ワーム」。
ピンテールタイプのしゃくればピンピン動く「ダート」、シャッドテールタイプの巻くだけでテールがプルプル動く「シャッド」の2タイプ、4カラーのラインナップです。
千切れにくく、伸びる素材を使っており、腹部の穴からエサの小魚や切り身などを入れて使います。
専用のピンテンヤにセットするのが一番ですが、通常のテンヤにステン線等で巻きつけて使ってもOKです。
エサを包んでしっかりガードしつつ、横の窓からエサの味と匂いが出ますので、エサ釣り時の食いの良さはそのままに、ワームの動きを演出し、タチウオを誘惑します。
エサをセットしやすく、かつエサ持ちが良いので手返しも抜群。
時合いを逃しません。

 

ピンテンヤ
包ワームに最適なテンヤがピンテンヤです。
特徴的なピンは、弊社のタコヘッドという製品に使っていた「ピンロック」と同じ機能で、包ワームやエサなどを刺し、ロック用のフックに掛けるだけで、誰でも簡単にセットし、がっちりとワームをホールドすることができます。
フックはハリ屋ならではの鋭さで、ライトタックルでも楽々フッキングが可能。
タチウオのバレや身切れを防ぐこだわりのフック形状なので、水面滑走時や抜き上げ時のバラシを減らすことができます。
ヘッドはダートさせやすい形状で、下のアイにはアシストのトリプルフックや集魚用ブレード、エサ巻き用のステン線をセットしてください。
ウエイトは10g、15g、20g、25gのラインナップ。
15~20gを標準として、タナが浅いときや食いが渋い時は軽めを、遠距離や深場を探るときは重めをセレクトするのが基本です。

■実釣
釣り方といっても、別に難しいことはしません。
釣り方は大きく分けて2つありますが、テンヤ釣りやワインドなどのルアー釣りをやったことがある方ならもちろん、投げてリールを巻くことができればすぐできます。

【①棒引き】
1つ目は棒引きです。
これには包ワームシャッドが向いています。
投げ、基本は狙いのタナまで沈ませてから、1秒間にハンドル1回転ぐらいのスピードでゆっくりリールを巻くだけです。
持ち上げて落としたり、ストップさせてのラインを張ったまま落としたりの誘いを折り混ぜるとなお良しです。
アタリがあればすぐ合わせるのがベストですが、包ワームの中にはエサが入っているので、ルアーと違って噛み付いた後もそのままガジガジと噛んでいることが多く、多少合わせるのが遅くてもフッキングすることができるのもメリットです。
フッキングは軽く、素早く。
ピンテンヤの鈎は非常に鋭いので大げさな合わせは不要です。
タチウオがヒットしたら、できるだけテンションを抜かずに、ポンピングはせずに巻き取りましょう。
陸に上げてもタチウオは歯が鋭いので危険です。
できるだけフィッシュクリッパーなどを使って持ち、ハリを外すときはプライヤーなどを使ってください。

【②シャクリ】
もう一つはシャクリです。
こちらには包ワームダートが向いています。
狙いのタナまで沈め、ワインドやエギングのように竿をしゃくって「ピンピン」動かしてください。
左右に跳ねさせてやるように動かすのがベストですが、エサが入っているせいか別に綺麗に動かさなくても、ピンピン動かしてやれば食ってくれます。
一定のリズムでしゃくってもよいですし、時々止めて糸を張ったまま落としたり、またリズムを変えてしゃくったりなどするのも良しです。
この釣り方をしていると、後ろに着いてくるけどなかなか食わないことがあります。
その際は足元付近で数回シャクッてから5~10秒ほど止める誘いも有効です。
ワームと違い、エサの匂いのおかげで完全に止めていても食ってくれるので、食いが渋いタチウオも仕留めることができます。

【タナについて】
タチウオのタナは潮や時間、ベイトフィッシュなど様々な要因でころころ変化します。
基本的には明るいうちや活性が低い時は中~底層、夜や活性が高い時は表~中層狙いが目安です。
アタリがあるタナを見つけるまでは、着水後5秒刻みぐらいでキャスト毎に探るタナを変えると良いでしょう。

【挿入するエサについて】
ほとんどの釣具屋さんで売られていて、手に入りやすい冷凍キビナゴでほぼ対応できます。
時々匂いが強いサバやサンマの切り身が良いことや、イワシを偏食している場合は釣れたイワシを入れると良いことがありますし、冷凍のイワシミンチを包ワームに入れて使っている方もいますので、自由な発想で色々お試しください。

【付属のフロロリーダーについて】
食いを落とさないための付属のフロロリーダーですが、12号でも噛み切られることもあります。リーダーに少しでも傷が入ったら結び直し、リーダーに傷が入るのが多い場合は、より魚歯に強いリーダー先糸太刀複合メタルの使用をおすすめします。
ワイヤーでもよいですが、活性が低い時は食いが悪くなります。

【付属のステン線について】
通常はステン線を巻かずに使います。
その方がステン線に邪魔されないのでフッキングが良いですし、タチウオが噛み付いたあとにエサがこぼれるので、フッキングが失敗した時も追い食いしやすくなったり、周りのタチウオを寄せたり、活性を高めたりする効果があります。
ただ、ステン線を巻かないとエサの持ちが良い包ワームでもエサの消費が多くなりますので、渋い時はステン線を巻かずに使用し、食いが上向けばステン線を巻いて使うことをおすすめいたします。
ステン線は包ワームの1/3~1/2ぐらい巻けばOKです。
上手く使えばエサの交換なく20~30匹釣ることも可能です。

【アシストアイについて】
ピンテンヤのヘッド下部にはアシストアイが付いています。
明るい時間や常夜灯の下、月明かりの下で釣りをする時は、こちらにパニック集魚ミラーのようなブレードを装着すると、アピール力が増すので効果的です。
また、この釣り方では他魚がヒットすることも多いです。
他魚が多い場合はアシストアイにトリプルフックを付けることにより、フッキング率を高めることができます。

【説明動画について】
今回ご説明した内容は動画でも見ることができます。

 

ご説明は以上です。
見ての通り簡単で、太刀魚のルアー釣りを始めてみたい方の練習にも最適です。
とにかくめっちゃ釣れますので、まずは一度お試しください。

スタッフ 広報課 西浦伸至

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