第9話【アジは凄いか?】
2019年に入って全国的にそしてここ関西も海は好釣果が続いている。詳しく言うと関西では暖冬気味だった昨年の冬からあまり途切れることなくこの梅雨時期までとてもいい釣りが出来ていてスズキに青物、メバルにチヌにアジに、そして僕はどうも苦手であるが関西の夏の風物詩タコの釣果も出始めている。たまたまながら今年に入って福岡にも拠点を作ったこともあって毎月一週間から10日間ほどは九州各地で釣りをするという生活になり始めていることもあって地元大阪ではいつもの釣りを、九州では海の様々な釣りのほか関西に比べればより手軽なバスやトラウトなども釣って例年になく「いい釣り」を堪能できているという素晴らしい年になっている。
話を関西に戻すと気候変動なのか一向に変わらない離岸した黒潮蛇行のせいなのかはたまた単なるたまたまなのか?理由などわかるはずもないのであるが大阪湾の沿岸部では下がらなく上がらない水温とそれに影響しているかのような沖合のシラスの豊漁やイワシの大量接岸などもあって沿岸部では青物やアジの釣果も続いていて釣具屋さんは連日大賑わい! 皮肉なものでオリンピックに万博に国際会議と僕をはじめ都会の釣り人には不安要素でしかない行事が目白押し、また、安全上や環境上の問題から手軽な釣り場が減少しているという不安をよそにアジや小中型の回遊魚などが好調な事もあって新たな釣り人がどんどん増えていると言うのだから笑えるというか少々気持ちの悪さも感じている。
釣りは基本当事者と受け入れ側の「善意で成り立っている遊び」なのでこれもまたモラルだのマナーだのコンプライアンスだのといちいちこと細かく決めたり言わなければならないこの時代には合わないこともあるからなおのこと今後の状況には不安が募る。この「なんとなく上手く遊んでください!」という釣りの基本テーマほど伝えにくいものはないがこれからルアーの釣りを始める皆さんへは是非上手く伝わって欲しいものである。
とまぁ個人的にも不安要素は取り除けないものの依然魚は釣れていて各釣り場は盛り上がっているので総合的にはまだまだ楽しいという要素が圧倒的に強い釣りの世界!当然のことながらより親しみやすく釣りを始めやすい環境もあってそれらの進化も相当なもの。そんな中、いま楽しまれている様々な海の釣りの中で一番の流行と言えばライトゲーム。その中でもやはりアジ=アジングだと思う。
僕もかなり早くからルアーでのアジ釣りを始めていたこともあって今のこの盛り上がり過ぎる状況は想像以上のものではあるがやはり手軽に楽しめて程よく飽きてやや奥深いところもあるアジングは楽しい。海のルアーゲームの進化に加え「誰もが知っている身近な魚」ということもあって正に「海のルアー釣り入門」と呼ぶにふさわしい釣りとなっていて、いま海の釣りを始めるならサビキかアジングか?の二択くらいのものではないだろうか?加えて最近のビッグニュースと言えばサビキ釣りで使用するアミエビもまさかのフルーティーな匂いのものが登場したことは僕にとっても驚きと「やっとここまできたんかー!」っというとても大きな嬉しさがある。これならまたサビキ釣りも復帰するかも?なくらいの嬉しさである?(笑)
で、アジング。今ではほぼ全国、ほぼ周年にかけて狙うことが出来るが、ここで各地の有力者の皆さまへお願いです!…より安定的で安全な釣り場作りを是非提案します。とにかく人を避けストイックに釣りをしたい僕ではあるけれども子供たち、ファミリーやカップル、友達同士でなど楽しく微笑ましい釣りを見ているのは僕も嬉しい限りなので是非いい釣り場づくりを! 関西ではいわゆる海上釣り堀の特別枠としてアジング釣り堀なるものがオープンしていてなかなかの盛り上がりとの事。僕が行くことはないとは思うけれど初心者の皆さんにとってはとても良い釣り場なのではないかなと思うので今後も様子を見ていきたいと思っています! 本当に手軽で清潔に楽しめる釣りの遊び場が広がればその後に続くマニアックな釣りに世界の発展にも繋がるのではないかなと? 変化する環境にみんなで知恵を絞り創意工夫でこの楽しい釣りを続けて行きたいと思います!!
最後にプチ情報…!この夏僕はまたまたSlowtime I’m happyという名の「アジ用のべ竿」を製作しました!知る人ぞ知る最新のタケダ式アジング「のべ竿アジング!」3.6mの軽量振り出し式万能のべ竿にフロロ1ポンドライン、先には豆アジ弾丸+ワームをセットするだけというとてもシンプルな最新の港湾アジングスタイル。「ええーのべ竿?」「釣れんの?」っとか言われそうですが…最強です。そして昔は見慣れてた光景=アジウキで静かに一匹ずつ丁寧にアジを釣る楽しみ!のべ竿アジングを通してこんな釣りの楽しみ方を是非たくさんの皆さんにも体感してほしいなぁ?っと思ったりしています!お楽しみに!!
プロフィール…武田栄(たけだ・さかえ)1967年大阪市生まれ
カルティバフィールドテスター /Go-Phish代表/ 釣り研究家
幼少期の釣りからルアーに目覚めバスフィッシングはもちろん、10代の頃よりいち早く海のルアーゲームに精通、その後様々なスタイルを構築。20代では釣りと同じく楽器(ドラム)演奏にも没頭(2000年ビクターエンターテインメントよりメジャーデビュー)。現在は釣りとともに地元関西の個性派グルーヴァーとしても活躍中。関西最古参SW釣りクラブ会長、老舗ルアーメーカー勤務を経てプライベートブランドGo-Phish(ゴーフィッシュ)を設立。自身の開発アイテムはもちろん様々な釣具メーカーとの企画人気アイテムも多数開発。雑誌メディアでもおなじみ愛称はタケちゃん。その明るい人柄にファンも多い。趣味は「おしゃべり」。合言葉は「ゲームフィッシュは出かたが命!」「楽しくなければ釣りじゃない」