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まずはハリの話をしましょうか!

【前説】
初めまして!今回よりこのコラムを担当させていただきます事となりました浪速(ナニワ)のタケちゃんこと武田栄でございます。カルティバフィールドテスター、釣り歴45年(含ザリガニ釣り、バスは生粋のトップウォータプラッガー)。若干25歳にして大阪最古参のSW釣りクラブの会長、しばし音楽を生業とし現在は設立15年を迎えた渾身のマニアックブランドGo-Phish(ゴーフィッシュ)代表にして釣り研究家。少々口の悪い所はありますが熱烈な釣り人にして根は真面目。お人好しで庶民派。魚のことを人一倍心配する釣り人。このコラムでは釣りにまつわる様々な話をしていきたいと思いますので皆さま何卒お付き合いのほどよろしくお願いいたします!

【まずはハリの話をしましょうか!】
釣りバリ。ルアーゲームに夢中の皆さんはフックと呼んだ方がピンとくるでしょうか?今の僕は海のルアーゲーム、とりわけショアゲームを中心としたライトゲーム(メバルやアジ、チヌ)からマルスズキ、磯のヒラスズキあたりまでが日常の釣り。なので主にルアー用のトリプルフックやジグヘッド類の使用が圧倒的なんですが、子供の時からのエサ釣りの経験も含めて「ハリ」には人一倍興味があります。伊勢尼、丸セイゴ、流線、袖バリ、マスバリにタナゴバリ…etcと現代の釣りバリの標準とも呼べるものから「ハゲバリ」などそれに特化したことで定番化したものまで。ハリの形状の違い、その効果は釣り人の誰もが知るところ。僕もオーナーばりスタッフとはもちろん、仲間内でもよくハリの話をしますが釣りを長年楽しむようになるとハリについて話したくなるのは必然ですね。もちろん初心者やまだ初めて日の浅い釣り人のみなさんでもいきなりとてつもなくデッカイ魚が掛かってしまってハリが曲がった?なんてことがあればその直後から俄然ハリに対しての注目度は上がってしまう訳ですが(笑)。

今や大人気のジャンルとして定着したSWルアーゲーム(海のルアーゲーム)ですが、こと大物を狙う人たちはさすがに人一倍ハリへのこだわりは強いようでそれはそれで「タフワイヤー」のごとく更なる技術革新たるものが克服していってくれるんでしょうがどうにも僕は子供の時から「とんでもなく大きな魚」にはそれほど興味はなく、どちらかといえば釣りやすい魚を「より確実に」釣るための工夫の中でハリの存在があります。釣具店さんのイベントなどでもよくお客さんとハリについての話をしますが、「○○はいいハリですねえー」っと嬉しい言葉もあれば「○○のハリは強いとか弱い」とか、「こないだ○○使って折れました」とか? まぁ聞き方によっては言いたい放題にも聞こえるけれどそりゃぁ本人にとっては大問題。僕もオーナーばりフィールドテスターとして直接話が出来る場合にはその時の詳しい状況を聞くわけですが、想定外の凄い魚みたいな場合は別として往々にして道具立てがたいそう(オーバータックル)であったり釣り方に多少無理があったりすることの方が多い様です。
「糸とハリ」。釣り人にとっては最終的な答えなど絶対出ないテーマでありますが、昨今の釣りはとにかく完璧を求める傾向にあるようなので作り手さんの苦労はさぞ大変?と容易に想像できます。何せ今はPEライン+フロロリーダーが主流。ナイロンラインが主流だった世代の僕から見れば現代の強くて細いPEラインとフロロカーボンリーダーと、竿もリールも丈夫で軽くてルアーも小型化している昨今、「ハリ」への負担がいちじるしく大きくなっています。(スズキやヒラスズキをナイロンラインで釣ってみてください。ハリが損傷することなどまぁありませんので!)
竿であれ何であれ「掛ける!」みたいな宣伝文句をよく目にしますけど、釣りをすればするほどその信ぴょう性のほどは僕にはちょっとクエスチョン?。ハリは「掛けるもの」ではなく「掛かるもの」・「刺すもの」ではなく「刺さるもの」というのが僕の身上。また単なる「力技の引っ張り合い」みたいな話も僕は興味を引きません。全人未踏の大型魚狙いなど最新の強度試しにおいて最先端の釣りを地で行く凄腕の皆さんの努力と苦労があっての技術革新なのではありますがそれをそのまま一般的に普及させるのはとんでもなくリスクを感じます。相手はあくまで「魚」であるからして「悪いなぁ釣らせてもろうて」っと余裕綽々の釣りが僕の基本。だからタックルのベストバランスを追求し、糸やハリにもターゲットに合わせてわずかな余裕を持たせたものが好み。良くも悪くも日本では皆さんが普段よく行く釣り場ほど狙える魚種やそのサイズはほぼ特定できます。万が一不意な大物?っと思ってもおおよその想定は出来ますから弱すぎるタックルは絶対NGなものの、反して「オーバースペックにし過ぎない釣り」も是非お勧めします。タックルバランスが合えば当然手軽さも引き心地の良さも上がりさらにその釣りが面白くなることはもちろん!…まぁ冷静に何せ基本魚よりは多少頭のいい人間様の遊びですので!(笑)。

【強いハリ?】
「強いハリ」の定義はなんですかね??? 折れない・曲がらない・ハリ先がつぶれない・錆びない…。僕が考えるに「ハリ先がつぶれない」というのは釣りをする以上物理的に防ぎようのない要素でありその使用状況の幅にもよるところが大きいのですべて克服するのはほぼ不可能かとは思うけれど、他はもしかすると出来るかも? 「折れず曲がらず錆びないはり」、おそらく一本10万円していいなら作ってくれるメーカーさんはあるかも?(笑)。値段の話になったので言いますけど、人によって高い安いと評価される現在市販されている多くの釣りバリの価格についてもその「考える力」や「製品化する努力と技術」を考えれば僕は決して安くはないと思っています。僕も様々な釣具の開発に携わるものとして言っておきますが、今の当たり前はわずか数年前まで不可能だったものも多数あります。なので出来ることなら手に取った「ハリ」を家に帰ってじっくり見てそのあたりの情熱と工夫みたいなものも想像してみていただけましたら幸いなんですけど!

せっかくなので今最も人気が高く気になるみなさんも多い事かと思われるアジングのハリ(ジグヘッド)について少し! アジ専用のジグヘッドとして市場ではやや後発の発売となりました我らがオーナーばりの「アジ弾丸(アジダマ)」と「豆アジ弾丸(マメアジダマ)」。 (考え抜いたデザインなど詳細は是非カタログスペックも合わせてご覧ください。)
このアジ弾丸シリーズは最先端のアジ釣り(アジング)のジグヘッドにおいて最も重要とされる要素=「刺さりの良さ」と「丈夫さ」を兼ね備えています。 アジングファンの皆さんはよーくお分かりのとおり高活性時以外にもよく釣れてくれるアジの最もやっかいなところは「アタリがボヤけやすい」ところ。素早いショートバイト時のフッキングは「ほぼ運やん?」としか言いようのない捕食特製はあるものの、アジングの真骨頂=レンジが下がり潮に乗って流れる1g前後のジグヘッドをくわえてジーっとしている場合にはこの「良く掛かる」要素が最重要、「鋭く強いハリ先」が必要なのであります。掛けるではなく掛かる。タケダさんはこの点において絶大に信頼しています。そして次に重要な「丈夫さ」。これは釣った後(ランディング後)の要素なのですが時合いを釣り切るアジにはこの「手返しの良さ」も重要!何せ焦りまくる時合いのさなか、刺さりが浅くても深くてもハリを外す際にジグヘッドやハリが損傷してしまう様ではいけません。その点アジ弾丸シリーズは極めて丈夫。ゲイブが広がることやシャンクが曲がることなどはほぼありません。(*もちろん小さいのにあの強靭な上アゴを持つアジですから、ワームのカラーローテとともにハリ先をチェックしながらの頻繁なジグヘッド交換をおすすめします。)
シーズンになれば毎夜の様に僕も楽しむアジ釣りですから、このアジ弾丸シリーズにはとても助けられています。

どうですか皆さん「ハリの話」。「ハリはハリ屋のハリを」…これが僕のアンサー。機能的で使いやすいもの、そして大きく「信頼できるもの」。信頼!=モノでありながら人間関係も同じ!おもしろいですね(笑)今の僕の究極は?っと聞かれれば「んー、購入してちょうど一年経つと劣化し始めて、放っておいても丸5年で完全に自然分解して無くなるハリと糸かなぁ?」(笑)これからもオーナーばりさんとの協力そして自身の日々の釣りや生活を通してより良い釣りの楽しみ方を模索していきたいと思います!!

 

プロフィール…武田栄(たけだ・さかえ)1967年大阪市生まれ
カルティバフィールドテスター /Go-Phish代表/ 釣り研究家
幼少期の釣りからルアーに目覚めバスフィッシングはもちろん、10代の頃よりいち早く海のルアーゲームに精通、その後様々なスタイルを構築。20代では釣りと同じく楽器(ドラム)演奏にも没頭(2000年ビクターエンターテインメントよりメジャーデビュー)。現在は釣りとともに地元関西の個性派グルーヴァーとしても活躍中。関西最古参SW釣りクラブ会長、老舗ルアーメーカー勤務を経てプライベートブランドGo-Phish(ゴーフィッシュ)を設立。自身の開発アイテムはもちろん様々な釣具メーカーとの企画人気アイテムも多数開発。雑誌メディアでもおなじみ愛称はタケちゃん。その明るい人柄にファンも多い。趣味は「おしゃべり」。合言葉は「ゲームフィッシュは出かたが命!」「楽しくなければ釣りじゃない」

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