春の訪れと共に、今シーズンも各河川でアマゴ釣りが解禁しています。
3月1日に地元の岡山県 旭川支流の目木川 富地区に、翌日2日には午後から旭川支流の新庄川 美甘地区に釣行しました。
今年は暖冬で山にも雪が少なく、各河川は減水状態でポイントが絞られる状況でした。
しかし反面で、温かさの影響のためサビの取れた天然アマゴが瀬の中で釣れるという、解禁とは思えない釣りの良さも味わえました。
2日間の釣果は15㎝~25㎝を52匹。
放流アマゴが主体でしたが、天然物も交えて満足できる釣りを楽しむことが出来ました。
解禁当日の3月1日は、午前6時前に地元の杉山釣具店で年券を購入して旭川中央漁協管内の放流状況などを伺い、目木川に向かいました。
平日とはいえ、やはり解禁日ということで、深みのあるポイントには太公望が陣取り竿を振っていました。知り合いを見つけて釣れ具合を尋ねると、既に2人で10匹近くの釣果とのこと。
まだ魚も見えている様子で、楽しめそうとの事だった。
ポイントを探して車を走らせますが、昨年の水害の影響で川のあちこちが崩れていたり、淵が消滅してしまい深みのあるポイントが減少していました。
戸惑いながら、気がつくと目木川の東谷から西谷までを一周してしまいました。
ようやく7時過ぎには上流の富地区の深瀬で、釣り人の姿が見られないポイントを見つけて川を観察しました。
すると、大小のアマゴの姿が目視できたので入川すること決めました。
入川準備をしていると近所の方が来られ、この場所は既に地元の釣り人が竿を出して釣り切った、との話をされました。
待ちに待った今シーズンのアマゴ釣り、水温は5℃で20㎝以上の減水状態で濁り等は無く透明度は抜群の清流。
上流エリアのため段々瀬もみられる渓流域。
アマゴの喰い位置を想定して釣り座を定めます。
釣り残し狙いのため、警戒心対策とナチュラルな餌流しを主眼に置いて6mの竿を選び、ザイト・渓流0.4号の水中糸、鈎は愛用のカッパ極6号をセットします。
餌は生イクラ2粒をフトコロまで通して、岩場から流れ出る瀬頭の白アワに投入しました。
餌が浮いてしまわないように注意して、底流れに沈んだことを見計らって水中糸を流れに馴染ませたところで一瞬、目印が止まるような変化が見られました。
これに反応して右腕を天に向けて突き上げて合わせると、竿から手元に魚の重さが伝わるとともに、川底でグラグラっと体をくねらせて抵抗するアマゴ特有の心地好い引きを味わうことが出来きました。
アマゴとのやり取りを楽しみながら、解禁第一号をバラさないように慎重に浮かせてから引き抜きました。タモに収まってきたのは23㎝の放流アマゴでした。
一投目からの思わぬ大物に幸先の良さを感じとれた獲物でした。
その後は入れ喰いとはいかないものの、流れの筋と瀬の頭そして尻などを釣り分けながら丁寧な振り込みと餌流しに徹して釣っていきました。
また、水深に応じて高さを調節した目印の微妙な変化に対して、全て合わせを入れる釣りでコンスタントに釣果を増していきました。
釣り残しポイントということで、アタリは長くは続きませんでした。
そこで、偏光グラスで川底を覗くと、まだアマゴの姿が数匹確認できたことから、仕掛けを軽く小さくする作戦に転じました。
水中糸はザイト・渓流0.25号に、鈎はカッパ極スーパーライト5号に替えてシズも1号の極小サイズとしました。
餌は生イクラ4粒ほどをセットして、鈎が見えないようにすると共に振り込み地点からのマキ餌効果で喰いを助長させる策略を講じました。
また、餌もイクラの底切りやブドウ虫に取り換えたり、小さなテンションを駆使したアクション釣法なども試みました。
すると、喰いが立つと共に警戒心よりも喰い気の興味を高めて、反応してきたアマゴが餌に近づいてくるようになりました。
川底のアマゴは、大きく口は使わないものの軽く触ってくるようになったため、今まで以上に微妙な目印の変化や、偏光グラスから垣間見られる魚影に対してアワセを入れることとしました。
これにより、鋭いカッパ極のハリ先はアマゴの口のみならず、外顎や腹を貫通して釣れました。邪道といわれるかもしれませんが、ヘラブナ釣りとは違い、これも即座に違和感のある餌を吐き出してしまうアマゴの習性からすれば、釣り人の技量と鈎の良さを証明できる一つの釣りではないかと考えています。
釣り人が集中して釣っているにも拘らず、あの小さなイクラの皮を残して中の卵黄だけを吸い取る能力をもつのが、強敵アマゴなのですから。
アマゴ釣りには欠かすことのできない超速アワセ釣法だといえます。
この場所で多用な釣法を駆使して粘り、何とか10匹程を釣り上げることが出来たことから、上流に向けて釣り上がることとしました。
その後は、段々瀬と平瀬が連続するポイントや大きな淵の中を丁寧に探って、夕方までには天然物交じりの15㎝~24㎝のアマゴを34匹の釣果が得られました。
翌日は、午後から旭川支流の新庄川 美甘地区の瀬や淵を粘り強く探って、15㎝~25㎝を18匹の釣果。解禁の2日間で15㎝~24㎝を合わせて52匹という釣果が得られ、満足のできる釣りが出来ました。
今回の釣行で好釣果を得られた要因は、確実なポイント設定が出来たことと、良いタックルが功を奏していると考えます。
特にオーナーのカッパ極は、軽く小さなアワセにおいても鈎掛かりしてくれますし、アマゴ合わせで鈎掛かりしてしまっているのです。
喰いの立った状態のアマゴであれば飲み込んでしまいますから、誰にでも釣れます。
しかし、そこから釣果を伸ばすためには、この鈎は有効で欠かすことのできない一品となるのです。
またカッパ極は、刺さりの良さだけでなく保持力もすばらしいことが絶品の所以です。
今回の釣行でも、取り込んだアマゴの口に刺さっていたのが、粘膜のほんの少しの部分のみであることが何匹かで確認できました。保持力の落ちる形状や線径の物であれば、数匹は水切り時や空中バラシに繋がっていたことでしょう。
これが、釣りのリズムを崩す大きな要因と成ってしまいますから、要注意です。
オーナーのカッパ極は万能な絶品で、私の渓流釣りにとって欠くことのできない必須アイテムです。
未だに使用されたことのない渓流釣り師の方は、ぜひ一度試してみてください。
この絶妙な線径と鈎先の鋭さ、そして形状と耐久性の良さが直ぐに実感でき釣果アップにつながり、好釣果が得られるでしょう。
そして、この美しいフォルムに秘められた確信を掴むことでしょう。
鮎匠会 横山 芳和さん