長野県を三年あまり営業担当させていただきました。
実際にはコロナが猛威をふるった環境でしたので、営業職として現地に商談に伺うことはなかなかできず、平常時の1/4くらいの頻度にとどまりました。
川と一緒に営業エリアが記憶にとどまることが、自分の場合は多いです。
今回、営業エリア変更に伴い長野県最後の1日。
夕刻はどこかでフライを流せたらなぁ、、と思って道具は念のため積んでありました。
果たして、最終日の夕刻には最後にご挨拶させていただいた店舗を出たのがもう6時過ぎ。
幸いそのお店から15分ほどで犀川本流。
もちろんメインポイントまでいくほどの時間はなく、かなり下流域です。
「流せたらそれでええわ」と。
場所は河原が広く、バックスペースがあるのでオーバーヘッド(普通のキャスト)でもやれそう。ウェーダーを履く3分ほどの時間ロスを考えると革靴のまま、やろうかなとも思いましたが、やはりウェーダーを履くことにしました。
深瀬からプールに繋がる感じのいいポイントです。
ロッドは13フィート#7。フローティングボディのヘッドに、ティップは使わずフロロカーボンリーダー1Xをコネクト、適度にカットしてその先にザイト・磯フロロの4号を矢引程度結んだ。
フライはウェイテッドの自作ゾンカー。昔ながらの普通のゾンカーです。
もう残照の時間で、国道に懸かる橋の欄干には灯りすら灯り始めた。
対岸には、桜がぼんやり咲いていて、ふと鳥取県千代川の自分が好きなポイントと印象が繋がる。
「さて、やれて15投かな」と。
気がはやるけど、数多くキャストする20投よりも、丁寧に1投づつ10投しようと思った。
10投ほどが完了するころには、体が流速に慣れ、メジャーリングも終了。もはやラインはよく視認できない時間帯。
深瀬をスイングするフライが押さえ込まれることを期待したけれど、それは不発。
あと三投ほどは深瀬がプールに繋がるファジーなかけあがりとなる。
流芯の少し向こうにフライが着水。スイング速度をあげて、ランニングラインをたぐる左指に水圧がかかってくる。流芯を外れそうになると水圧が緩みはじめる。
そこが核心部。
ちょうどそこにはプールから深瀬にいたるかけ上がりがあるので、スイングだけでなく、指先で少しリトリーブしてみる。
かけあがりをフライが超えたかな? と思ったところで「ズムッ!!」と、トルクのあるヒット。
「これよ!これこれ!」
自分の住む関西には、こんな水量の本流はない。
やはり犀川はいいなぁと思いつつ、ブラウン君に感謝しつつ水から一切出さず、浅瀬があったのでネットも使わずに済んだ。keep fish wet でリリースできました。
営業担当として長野に来ることはもうないけれど、釣具店の皆様や、河原で出会ったアングラーの皆様、ありがとうございました。
迷ったけど結局年券も購入しました(笑)。
また秋に来たいなと思います。
さてさて、数日後から始まるGWは。やはり水量のある本流でやりたいので、北陸のどこかの河川ひとつ、味わってみようと思います。
狙うのは終盤に差し掛かる、サクラマス。
どうせ釣れるわけはない。と思ってると突然ドスンと来る魚ですし、そもそも釣れても釣れなくても満足です。
スタッフ 吉成秀人