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追波川で今シーズン初サクラマス

皆さん、こんにちは。
カルティバ フィールドテスター佐藤文紀です。

今年もサクラマスシーズンが開幕し、2月20日(土)に釣行してきました。

東北は北上川水系の宮城県追波川(おっぱがわ)に当日は入りました。

川の様子を見てみると、ちょうど満干による下げ潮が効きシャローに点在するストラクチャー周りに水ヨレができており、これはいかにも「釣れそうだ」と直感が湧きました。

今見えているこの流れがサクラマスにとっての適水勢であるかどうか、干満の影響を受けるタイダルリバーであれば塩水くさびの有無をも総合的に判断して釣りに臨むわけですが、いずれにしても釣れる流れ(流速)・水位・濁り等を自身の目と感覚で判断し養うことは、1尾のサクラマスに近づくことにつながる大事な要素です。

ルアーはミノー・スプーン・バイブレーション、メタルバイブ、メタルジグ等、動きの異なるもの、レンジの異なるもの様々用意して釣り場に臨みますが、シーズン初期ほど河川内に遡上したサクラマスの場合には魚のステイレンジがボトム寄りであることが多かったりもするのですが、かといっていきなり沈み系のルアーでボトムを転がすようなルアータイプから真っ先に投入してしまうと上方に意識を持っている個体がそこにいた場合、不用意に驚かせてしまう(人的プレッシャーをかけてしまう)可能性もあるので、なるべく意識は上に持ち、上層から下層に向けて段階的にアプローチし最終的にボトム付近にトレースレンジが到達するようなアプローチを心掛けます。
要はサクラマスの視線に自然にルアーが入っていくことで、魚を驚かせずにその場を長く釣っていきたいという考えに基づいています。

潜行深度は約40cmの9cmミノーをセレクト。
フックはカルティバ/STX-45ZNの♯6をセッティング。

水の流れとラインの抵抗も加わるため、実質ミノーの潜行深度はルアースペック上からマイナス10cm引いて「約30cm程」といったところです。

手前側に寄っている流心の向こう側にキャストし流心をU字ターンで横切るようにルアーを引きますが、この時、ロッドティップに対し最終的にラインが斜め45度くらいの角度で戻ってくるように心掛けます。
サクラマスは角度にはスレにくく、サクラマス自身の視界にルアーが入ってくるにあたり、魚が嫌がる角度と嫌わない角度があるのでそのあたりのバランスも流速と相談しながらアプローチ。

流れのヨレについていると思われるサクラマスに対し、ヨレの中にルアーが入ったときにトゥイッチで魚をルアーに引きつけ(興味を持たせて)、流れのヨレを抜け出たところで喰わせるためのストレートリトリーブ、いわゆる『ただ巻き』に移行します。

当日は雪代の濁りも色濃く、流れも速く効いているため〝魚の喰い外し″(サクラマスの視点からのミスバイト)を最大限減らすことにも意識を向けました。
水ヨレの鏡になっている区間でミノーにトゥイッチを入れ、抜け出たところでルアーに興味を持たせたサクラマスが追尾しただ巻きで喰い上げるイメージで誘いをかけますが、まさにその通りに。

偏光グラス越しにミノーの背中の色を目印にルアーの軌道を目で追っていましたが、視界からフッと消えたかと思うとギラッとしたシルバーフラッシュの閃光が。

と同時に、ロッドとリールを巻く手に強い衝撃が伝わってきて目感覚と手感覚双方でサクラマスのアタリを捉えることが出来ました。

川に遡上したばかりのサクラマスはいわゆる「逆スモルト化」にある状態であり、海水と真水との馴染み具合から身体組織の浸透圧の関係で身が非常にやわらかく、デリケートで非常に繊細な状態です。
サクラマスのヒットは突然訪れますから、慣れないと突然のヒットに驚いてしまう人が多いのもよく分かります。
しかし焦るようにして無理してリールを巻いて寄せる、強引なファイトを繰り出せばサクラマスに首を振られた際の口腔の身切れフックアウトや、必要以上に興奮したサクラマスが激しく暴れさることにもつながりかねなくファイト中のバラシに泣く要因を自らが作ってしまうことにも繋がります。

STXシリーズの場合には特徴的な角が魚肉を保持する役目を果たすため、バラシが極めて少ないトレブルフックです。
むしろ焦らず、じっくりと身構えて「魚と力と力でケンカしないファイト」を心掛け、竿の弾力を使って〝やんわり″といなしにかかった方がランディング率は上がります。

またとない貴重なヒット。焦りは禁物です。

ハンドネットに誘導したサクラマスは海から遡上して間もないフレッシュラン。
白銀の鱗がポロポロと舞うそれは体幹のしっかりとした58cm。

掛かり具合からしてこれは絶対バレないだろうと納得する、すくった口肉を保持するSTXの鈎特有の圧縮ロックで固定するようにホールドされていました。

空気室が小さく鈎の重さがルアーの泳ぎに影響するような浮力の小さなフローティング系プラグを用いて、なおかつライトタックルによる初期掛かり速度最優先であればSTX-38ZNを。
流心の強い流れの底から魚を引き抜いてくる釣りや、ルアーそのものに浮力が生じないシンキング系のルアーを用いる場合にはSTX-45ZNを標準で使い分けています。

今年もシーズン初期の2月に咲いた北上川水系、如月のサクラマス。
ナイロンラインでのプラッキングにはST、PEラインでのプラッキングにはSTXがサクラマスにはおすすめです。

3月、4月、5月とサクラマスシーズンの盛期はこれからが本番を迎えますが、お手持ちのタックルの入念な再確認と共に、ルアーの浮力とシチュエーション別にSTXも38と45を
鈎の比重と強度という側面からも効果的にその「使い分け」を楽しんでみてください。

鈎ひとつで釣果は変わる。
貴重なヒットを確実にランディングするためのサクラマスツールの1つがSTXシリーズと言えるでしょう。
今年も全国のサクラマス愛好家の皆様が良き釣行に恵まれますことお祈りしています。

 

サクラマス釣りにおけるプラッキングでのSTX-38ZM・STX-45ZNの使い分け等は動画「北日本トレイル~北海道・東北の釣りを魅せる~Vol.1秋田県米代川の桜鱒」でも紹介しております。

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