~串本の磯から投げ釣りで狙うカワハギ釣り~
【釣行日】 1月6日
1月、2月の年間で最も寒いこの時期は、投げ釣りで釣れる対象魚も少なくなり、ついつい寒さに負けて釣行回数も減少しがちですが、こんな季節でも釣って良し、食べて更に良し!の魚がいます。
磯から投げ釣りスタイルで狙う和歌山県の串本大島(紀伊大島)のカワハギです。
ここでは肝がパンパンになった尺超えのカワハギが釣れるとあって、想像しただけで寒さも吹き飛びます!
今回はそのカワハギを狙って行ってきた年明け初釣行の様子をレポートします。
【串本大島の磯へ】
1月6日大阪市内の自宅を午前1時過ぎに出発して、約3時間程で串本大島の白野港に到着。5時にいつもお世話になっている「しょらさん渡船」で受付けを済ませ、5時半頃出港し「ヨコヘラ」という磯に上げてもらいました。
この磯の近くにはマグロの養殖イケスが設置されてるため、マグロのエサに寄ってきたカワハギが栄養を蓄えて成長しているものと思われます。
当日は小潮で、4:30頃の干潮から11:20頃の満潮にかけて満ち潮の潮まわり。天候は晴れで、心配していた北西の風も気になりませんでした。
【タックルと仕掛け】
タックルは投げ竿4.25m33号、リールはドラグ付き投げ専用スピニングリールに道糸PE3号+ナイロンテーパーライン5―12号。
それに遊動式L型天秤30号をセットし、仕掛けはハリにOH白狐7号または8号を使ったハリス5号の2本バリ自作仕掛けで、全長90cmの吹き流しタイプにしました。
【ハリと装飾品】
使用するハリスの太さ、尺クラスのカワハギに対する強度や吸い込みやすい形状を考えると、OH白狐の7-9号位がいいと思います。
夜行玉やビーズといった装飾品も有効ですが、フグなどのエサ取りが多い時は反対にシンプルにした方がいいでしょう。
【基本的な釣り方】
私は基本的に竿を3本出して、2本は置き竿にし、1本は手持ちでゆっくりさびくように探ります。相手は「エサ取り名人」なので、微妙なアタリを拾うことも大事だからです。
前アタリがあれば、竿先を送り込んでもう一度聞いてみて、次のアタリでアワセるパターンが多いです。
【狙うポイントは?】
根掛かりが多いところでは引き釣りは難しいですが、そのような場所よりむしろカワハギは砂地にシモリが点在するようなポイントの方がよく釣れるので、船頭さんに聞いて実績のある磯に上がる方がいいでしょう。
シミズ、アミカケ、ガリガリ、ナギ崎、ヒラバエ…といったポイントがあります。
【釣果を伸ばすコツ】
その日の状況によって置き竿の数を1本にしたり3本にしたりします。
エサ取りも含め、アタリが多い時はあまり竿数を出すと対応しきれませんし、反対にアタリが少ない時は竿数を増やしてチャンスを広げます。
カワハギは群れで回遊してきますので、1本にアタリが出ると連続でくることが多く、その時に無駄なく対応できるかどうかが釣果に大きく影響してきます。
【投げカワハギのエサ】
投げカワハギで使うエサは細めのマムシ(本虫)が基本です。それに予備エサとしてアオイソメや塩マムシを用意します。
船で釣るカワハギはあさりのむき身を使うことが多いと思いますが、投げ釣りではマムシに実績があります。
ちなみにこの日は、竿3本でマムシ2.000円分とアオイソメを少しだけ使いました。
【エサの付け方】
私のエサの付け方は、マムシの場合、頭の硬いところを切ってハリいっぱいまで通し、タラシは1cmまでにしてます。
アオイソメは動きがいいので1匹掛けにしてアピール重視でいきます。
いずれもハリスまで被せないようにして、噛み切られないように気を付けます。
【実釣スタート】
6時前に渡礁したあと、暗いうちに三脚やタックルを準備し、1本ずつ仕掛けを投入。狙う距離は75mから100m付近。水深は10m前後で、海藻混じりのシモリ近くに仕掛けを止めてアタリを待ちます。
ポイントを少しずらして2本目を投げ終え、周囲が明るくなってきたその時、最初の竿にジーッとドラグを滑らすアタリが出ました!
竿を手に取り、ドラグを締めてスーッと竿を起こして聞いてみると…カンカンッと再びアタったので、ここで大きくアワセを入れてズシッ!カワハギは口が硬いのでしっかりフッキングさせます。
いきなりの手応えに早くも興奮しながらリールを巻いている途中、またカンカンッという強い抵抗感!
慌てず一定のテンションで寄せてくると、スッと海面に浮き上がったのは本命のカワハギ!しかもデカイ!!
本当ならタモ入れするべきなのですが、一気に抜き上げて手にしてみると、明らかに尺オーバーのカワハギで肝もパンパン。
思わず小さくガッツポーズをしてしまいました。
【1匹釣れればチャンスタイム】
余韻にひたっていたいところですが、群れで回ってくるカワハギはここがチャンスなので、すかさず打ち返してアタリを待ちます。
この時点で3本目の竿を出し、10分程すると左側の竿に反応アリ!
アタリが小さかったので、少し誘いを掛けるように引いてくると…コンコンッときたので、アワセを入れてリーリング開始!またまたズッシリとした手応えを味わいつつ海面を割って見えたのは、これまた30cmの本命でした!
その後も23cmと19cmを追加し早くも4匹です。
【仕掛けの点検はこまめに】
カワハギは歯が鋭いので注意が必要です。
また本命以外にもフグがくることがあるので、毎回エサを付け替える度にハリスをチェックしましょう。
またハリ先が鈍っていたら「フックシャープナー」で研いでやると鋭さが復活してくれて、便利なのでオススメです。
【ゲストフィッシュも多彩】
カワハギのアタリが一段落したあとも、海水温が高いせいかキュウセンやイソベラ、トラギス、キタマクラ、ハコフグ、クロサギ、そしてメイチダイといったゲストフィッシュが食ってきました。
メイチダイは美味しいので大歓迎ですね。
ちなみに海面の温度を測ると18.5度でした。
【時合い再び】
再び時合いが訪れたのは満潮から下げ潮に転じた11:30頃でした。
2本置き竿にして、1本を手持ちで引き釣りしているとコンコンッとアタったので、竿先を送り込んで一呼吸するとまたアタリが!
ここでアワセて寄せてみると、なんとダブルで上がってきました!サイズは24cmと26cm。
と、置き竿の方にも道糸を引き込むハッキリしたアタリが出てヒット!
アワセを入れた時の重量感は、まるで良型のカレイを釣った時のような感覚にも近く、時折みせる力強い抵抗を楽しみながらヨイショ!と抜き上げて測ってみると33cmで、この日のベストワンとなりました。
更に数分後にまたヒットして、これまた31.5cmの尺オーバーをゲット!
【最終釣果】
結局この日はカワハギ30cmから33cmの尺超えを4匹、19cmから26cmを4匹で、合計8匹の満足できる釣果となりました。
【この季節のカワハギは最高に美味!】
その日に釣れたカワハギは、なんと言っても新鮮な肝が臭みもなく最高に美味!肝醤油で食べる薄造りは釣り人の特権とも言えるでしょう。
その他にも肝刺、薄皮の湯引き、鍋、頭やアラでお吸い物にしたりと、色々楽しめます。
【まとめ】
渡船利用の時は必ず前日までに予約の電話をして、分からないことは事前に確認しましょう。ただし、夜遅い時間はNGなので、「しょらさん渡船」の場合は21:00までに。
ライフジャケットは必ず着用のこと。その際、膨張型はいざという時に岩場で破れる可能性が高いので避けましょう。
磯ブーツ、または磯シューズを履くこと。
ちなみに「ヨコヘラ」は足場が悪い方なので、足首を捻ったりしないように磯シューズを履いて靴ヒモでしっかり固定した方がいいです。
そして当たり前ですが、ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。
さあ、釣って楽しい、食べて美味しいカワハギを是非、投げ釣りで狙ってみて下さい。
【タックル】
[竿] 振り出し投げ竿4.25㍍33号
[リール] 投げ専用ドラグ付きスピニングリール
[道糸] PE3号+ナイロンテーパーライン5―12号
[天秤]遊動式L型天秤30号
[仕掛け] モトス専用ライン8号3本より+ハリス フロロカーボン5号+ハリ OH白狐7号または8号(2本バリ仕様)
オーナーばり投げフィールドテスター 奥野太郎