梅雨も明け、いつの間にか盛夏ですね。
スタッフの吉成です。
「川の釣り」を二つ、レポートさせていただきます。
ひとつは「仁淀ブルー」で知られ、圧倒的な透明度を誇る高知県仁淀川への鮎友釣り釣行。
ふたつめは鳥取県の大山を源とする天神川水系、小鴨川(おがもがわ)へのフライでのトラウト釣行
どちらも思いつきで急に向かった単独釣行で、くしくも梅雨がらみの大雨増水での釣りでした。
いずれも釣りだけでなくちょっとした旅のような感覚で、知り合いを訪ねるような懐かしさをもった釣行でした。
鳥取県も、高知県も、かつては営業として担当してきた懐かしさのあるエリアです。
鮎にしろ渓魚にしろ、山の釣りにはいつもどこか、郷愁のような懐かしさが伴います。
【圧倒的な透明度、青さを味わう「仁淀ブルー」】
平成23年のこと、圧倒的な仁淀川の透明度、美しさを表現した特別番組、NHKスペシャル「仁淀川・青の神秘」が放送されました。
写真家高橋亘之氏の「NIYODO BLUE」がその特別番組のきっかけとなったとは、そのあとで知った話しです。
普段ほとんどテレビ番組を見ることがない私。
どれくらいTVを見ないかと言えば、おそらく年間20時間以内だと思います。
出張先では疲れてしまって、まず見ない。
どういうわけか、その時はその特番を出張先のホテルで、それもちょうど愛媛県のホテルにいるときに偶然見ました。
たまたまスイッチをつけたその時、ホテルの小さな液晶画面には、源流の木の葉から仁淀に滴る雨粒の一滴を写した画像が表現されていて「仁淀源流の最初の一滴」のようなシーンだったと記憶しています。
職漁師の「鮎の掛けじゃくり」漁のシーンも紹介されていて、その掛技の見事さを食い入るように見ました。
ご存じでしょうか?
西日本で二番目に標高が高い川は四国愛媛県の石槌山です。
仁淀川の源流も愛媛県にまたがります。それが高知へと、四国の豊かな山岳を流れていく。
それが、仁淀川です。
「おまえが担当している四国には、こんな景色があり、こんな凄まじい透明度の川がある。そんなことを知りもせず、釣り鈎だけを売りに来てるのか?」
番組映像に惹きつけられながら、見えない存在に、そう話しかけられている感じがしました(苦笑)
それは、生前「いつか徳島に帰りたい」と話していた釣り好きの親父から声のような気もしますし、霊山の多い四国の不思議な存在感?だったような気もします。
これを書いていていま、思い出した! テレビは偶然見たんじゃなかったです。
家族から、四国にいる私にメールがあったんです。
「いま高知の綺麗な川、TVでやってるよ」と。
そんな連絡があること自体珍しいし、「わざわざ連絡くれたんだし、眠たいけどちょっと見とくか」くらいの感じだったと、それを今これを書きながら思い出しました。
あの放送からもう10年近くとは、、、(遠い目)
番組をみたのがきっかけで、ウエットスーツにひし形の水中眼鏡を買いそろえて唇が紫色になるくらい一日中掛けじゃくりしてみたり、、。渇水の黒瀬でヘロヘロになるオトリで必死になってみたり、仁淀には懐かしさしかありません。四万十もそうです。
当時、自分に仁淀川や四万十川を案内くださった地元釣具店スタッフの皆様、良質な思い出には感謝です。
あの番組はほんと、いろんなインスパイアを私にもたらしてくれたと、今となっては思います。
【 仁淀へ 】
わたしにとってそんな風に愛着のある仁淀川ですが、先日、「仁淀川の鮎、夏には食べたい」と家族が言っていたことを思いだした。
数年ぶりに「仁淀に行きたいなぁ」と思いたったのが6月26日木曜日の夕刻。終業時。
翌金曜日は有休を取得申請し、数時間後には高知にむけて出発してました.
雨が降ることはわかっていましたが、家族分の6鮎が釣れればOK。
「それくらいなら雨でも、下手な俺でも、まあ何とかなるやろ。
さっさと仁淀で家族分の鮎を釣って、午後には少し走って大好きな梼原川(四万十の源流方面)でアメゴを釣ろう。
車中で仮眠して、翌朝も早朝からアメゴ釣りだ。
という身勝手なプランでした。
自宅のある明石市を夜遅くスタート。淡路島経由で徳島道→高知道と乗り継ぎ、途中仮眠などしつつ、早朝5時半には、いの町の尾崎釣具店に到着。
このころには、結構まとまった雨がふりはじめましたが、高知まで来たらやるだけだと。
おとりを3尾購入し、仁淀ブルーを味わうために北川まで走る。途中で黒瀬や、ヤナ瀬などかつてやったことがある本流を横目に見つつ上へ走る。
尾崎さんでいただいた釣り場マップを確認しつつ入川。
私は仕掛けを自分で制作できないので、使用したのは完全仕掛けSR-46、0.25号を選択
雨だし増水だし、ナイロンとフロロしか使い慣れてないので、若干水なじみを期待してフロロを選択。
それが正しい選択かどうかは知らないものの、いつもの感覚でそれからスタートです。ハリは一角の3本7号です。
残念ながら、北川では雨が激しくなり一切追いを感じることなく、川沿いにある屋根のある休憩所に避難するくらいに。
雨の中とはいえ、それでも濁らずに青々とした透明感で流れ続ける水に、「さすがの仁淀ブルー」。小屋から見とれることしきりです。山の良さを感じます。
降りやまない大粒の雨に、川からは人が一人もいなくなりました。
何度も「鮎諦めて、沢にはいってアメゴやろうかな?」とも思いましたが、、
電話で地元高知の名手に助けを求め、情報をいただき、思い切って本流へ戻ることにしました。
途中で「フレッシュマート岸本」さんに立ち寄って、チラシ寿司を購入。実は以前にも食べたことがあったのですが柑橘系がほのかに香るチラシ寿司はすごく美味しいと感じます。今回も一つだけ在庫が残っていてよかったです♪。
食事をおえて、釣り再開。郵便局近くから細い道を河原へおりるとすでに数人釣りをされていて、少し見ていると下流の荒瀬の手前、肩のあたりで掛けている人を確認。
期待できます。
結果的にはここでは足元ももう濁りで見えない濁りの中で粘って、やっと6鮎をそろえることができました。
実はこの時、水中糸の水圧抵抗を少しでも減らしたく、途中からSR-47Ⅱ複合完全仕掛の0.05に変更したのですが、感度のよさが幸いし、おとりが下に潜ろうとするのがよく感じ取れるようになりました。
本流ですし、増水で濁り、水面の変化から何かを読み取ることができませんから、面を探るイメージで、手前、その先、その流心寄り、最も流芯寄りと大きく4分割して探っては5歩上へおとりを引いて移動。それを繰り返しました。
周囲の人も竿を寝かせ移動しながらポツリ、ポツリと掛けています。
今回複合ラインというものを初めて使用して、感度というメリットは大きいものだ有ること、また本流の水圧をうまくかわせることができることを実感しました。
今後は積極的に使用してみたいと感じました。
なんとか家族に味わってもらえる「仁淀の鮎」を夕方までかかって確保でき、なんといいますか仁淀で釣りをできた充実感でその日は、懐かしい釣具店さんに少し挨拶にたちよったあと、市内で馴染みのホテルにチェックイン、フロントさんと久しぶりにご挨拶できたりしつつ、爆睡。
翌日帰宅後の夕飯で、無事塩焼きにしていただくことができました( `ー´)ノ。
四国の川。加茂川、銅山川、面河川、梼原川、北川、仁淀川、四万十川、海部川、勝浦川、吉野川
主にはトラウトですが、それぞれに思い出があります。また何度かは行きたいと思っています。
【鳥取県、天神川水系小鴨川】
山陰エリア鳥取県もかつては自分が担当させていただいていた懐かしいエリアです。
実は弊社のSWテスターを努めてくれているいる岸信直彦さんが、管理人をされているキャンプ場が小鴨川の上流にあります。
以前から一度行ってみたかったので、急遽思い立ち、7月22日の午後会社を早退させていただき、現地へ向かいました。
梅雨のど真ん中時期でもあり、増水は十分予測できましたが、そこは鮎とは違うトラウトです。
雨が福音になることは少なくありません。
「釣れても、釣れなくても行ってみよう。」
最近は思いついたタイミングは思い切って「行ってみる」事にしています。
会社付近の中国自動車道滝野社インターから中国自動車道をを一路西へ。
落合で高速を降り、下道で約一時間半岡山から鳥取へ、人形峠を越えてから少し走れば懐かしい「倉吉」の道路標識が大きくなってきます。
道中はずっと小雨ですが、あまり気になりません。
夕まずめの本流をウェットフライで探ってみたい気が急いていたようです。
まずは岸信さんに会いに行きます。
驚くほど綺麗な「やまもり温泉キャンプ場」に到着し、フィッシングショー以来半年ぶりに会う岸信さんとしばし話し、キャンプ場から車で2分!(ほんとうに2分でした)の本流へ。
暗くなるまで小一時間。集中の釣りです。
リーダーにウェットフライ向きのリーダー「パワーターン」4ⅹ
ティペットはザイト磯フロロの1.25号。
フライは自作のウェットフライ。リードにアレキサンドラ12番、ドロッパー(枝バリ)にプロフェッサー10番でスタート。
水温も低下してるだろうし、本流合流点したにある瀬肩から深みに続く流れにクロスでキャスト。
この時にパワーターンの特性を活かしてオーバーターン。フライから勢いよく底波に潜りこんでいくような操作を意識しました。
結構水深があるため、思い切って流れに潜り込ませて、馴染んだ頃のラインを引き上げる(ラインを張る)操作で一尾ヒット。
重くなったので「根掛かりか?」と思たのですが、ロッドに躍動感が伝わりました。
3ピースのウェットフライロッドSFXダンケルド。合わせが効いてなかったのか水面まで引き上げたときに残念ながら外れてしまいました。
フライはリードのアレキサンドラをくわえていました。
このあと、似たような属性の大場所を急いで1か所探りましたが、この時すでに夕暮れで暗くなる寸前。白いお腹を見せてハリから逃れていった山女魚が印象的でしたがヘッドライトを頼りに川から上がりました。
大雨のなか車に戻ると、運転席のドアノブには立ち寄ってくれたのか、岸信さんが差し入れてくれたビールが!
なんとも、嬉しいことでした!(^^)。
岸信さんの管理するやまもり温泉キャンプ場は、1日の予約数を限定していて、とてもゆったりできるシチュエーション。
さすが人気キャンプ場ランキングに入る管理体制。
広大なドッグランをはじめ、硫黄の温泉まで配備されているという素晴らしさでした。
この日はすでに予約満タン。自分は倉吉まで戻り宿泊しました。
翌朝
前日の本流が夜中中の雨で雨でさらに増水気味だったことから、迷いましたが上へ入りました。
渓流での雨は、天国と地獄が、まさに紙一重。
前日まで高水温で渇水ならば、夕立などはすさまじい荒食いに遭遇することがあります。
ところが数日降り続き水温低下が重なると、全く無反応となってしまいます。
なんとか1尾小鴨川のトラウトの顔を見たくて、岩魚を期待して上流をやりましたが残念ながら一切当たらず。
魚がいないはずはない。絶対にいるはずです。
しかし全く反応はなく、魚が走る姿も見えませんでした。深みの底でじっとしている魚が浮びました。
釣りは二日を通じて、バラシが1尾だけ。
ゼロと1の違いは大きいため、残念な感じはあったものの久々に山陰鳥取の山を釣ることができ、岸信さんのキャンプ場にも感動し、満足で帰路につけました。
次は一人用テントで早めに予約したいと思います。
【 釣りは旅 】
川の釣りを二つ書かせていただきました。
最近思うのですが釣りは広義には、それ自体が「旅」のようです。
釣れても、釣れなくても釣りにまつわる思い出は、芳醇に残ります。
この夏の前半もいい釣りをさせていただきました。
企画営業部 吉成秀人