この早春の時期になると、毎年楽しみにしている兵庫県但馬地方の半夜のマアジ釣りがスタートします。
尺前後がアベレージで、時には40cmクラスも混じるので、釣れだしたら回遊している波止や磯はそれなりに賑わいますが、狙われている方の多くはどちらかと言えばご年配。
アジングブームの真っ只中にもかかわらず、あまりお若い方は見られません。
釣り方はカゴ釣り、投サビキ釣り、フカセ釣りとガチなエサ釣りが一般的なので、手軽さに欠けてしまうのが原因でしょうか。
私たちが行っているアジングロッドを使ったライトな虫ヘッド釣法スタイルですと、通常アジングで使っている道具に虫ヘッド、水汲みバケツかバッカン、マキエシャクを足すだけで楽しむことができます。
今回は3/8に香美町柴山の福祥渡船さんの半夜便で釣行してきましたので、釣り方の紹介を交えながら当日の模様をレポートいたします。
当日は15時に出船。
アジが釣れだしたとあって、少し波気があるにもかかわらず、10名ほどのアジ狙いの方が集まっていました。
まず港を出て右手の臼ヶ浦島北端のタカノスという磯へ向かいましたが、波が高いため断念。
1組をタカノスの裏へ渡して、大島へ。
大島もやや波が高く、数組は渡礁したものの、私は夜釣りで波があるのは苦手ですし、湾内の中心にある一文字でも回遊があると船長に聞いていたので、思い切って穏やかな湾内の磯へ渡ることにしました。
私が渡ったのは風裏の臼ヶ浦島東側の中ほど。
初めて渡る磯でした。
アジが釣れだすのは日暮れからなので、もう少し遅く渡船しても良いかもしれませんが、当日は諸事情で15時の便しかなかったですし、日によっては早めに渡っておかないと良い磯にはすでにお客さんが乗っていて渡れなくなることもあるので注意です。
明るいうちにゆっくりと準備をして、暗くなるまでは同じタックルでチヌなどを釣って過ごすのが私の定番。
エサはオキアミボイルLLかLで、夕方からの釣りで単独釣行なら1.5キロ分を用意。
バッカンに入れるのも大層なので、私は水汲みバケツに入れて持ち運んでいます。
※写真は前日のもの
オキアミボイルは少し水を入れておきますので、マキエのシャクは穴が開いているものが使いやすくておすすめです。
タックルを準備する前に少し多めに撒いておくのがポイント。
タックルは普段アジングで使っているものそのまま。
メインラインはフロロ2ポンド前後で、虫ヘッドを飲み込まれることもあるので、チヌの場合はフロロの1.5号をリーダーとして1mほどセット。
その先に虫ヘッドの0.5g~2gを水深や風、潮に合わせてセレクトします。
オキアミボイルの刺し方は適当で構いませんが、私はゆっくり沈めたいならヘッドを真ん中に持ってくる刺し方で、早く沈めたい場合は尾羽をとって尻尾から刺しています。
※写真は前日のもの
釣り方は、底に点々と落ちているマキエのオキアミボイルの中に、ジグヘッドが付いたサシエを置いておくだけのイメージ。
時々軽く持ち上げてアピールしたり、潮が動いている場合はエサを潮に乗せて流したり、数分経ってもアタリがない場合は投げ直します。
エサ取りが少ないこの時期だからできる釣り方です。
水温が上がって活性が高い時はフォール中にもヒットしますので、その際は虫ヘッドは軽めにして、頻繁に落し込んだほうが食いは良くなります。
またこの釣りをすることによって、虫ヘッドが着底までに何秒かかるかを把握することができるので、夜からのアジ釣りにはプラスになります。
まずは虫ヘッド1gからスタート。
しかし時折巻いてくる風が強くてエサが底で落ち着かないため、数投で2gにチェンジ。
底にエサを置いてしばらく待っているとたまにアタリがあり、クサフグなどが掛かってきますが、数は気にならない程度です。
開始2時間後ぐらい、ラインを張ったままアタリを待っていると、「コンッ」という明確なアタリの後にラインがふけたので強めに合わせを入れると(チヌは口回りが硬いので強めに合わせを入れることをおすすめします)何かがヒットし、一気に走られてロッドがのされてラインブレイク。
恐らくチヌではなさそうでした。
その直後、似たようなアタリがあり、30センチほどの小さなコブダイが釣れたので、きっと先ほどのヒットはコブダイだったと推測。
この日は残念ながらチヌの釣果はなく、あとはガシラがぽつぽつ釣れたのみ。
日が暮れたのを機にアジ釣りへ切り替えました。
アジ釣り用には2タックルを準備。
1本はチヌに使っていたものと全く同じ。
もう1本もアジングタックルですが、遠投用に飛ばしウキのかッ飛びボールSSをセットし、50cmほど先には虫ヘッド0.5gを結んでいます。
釣り方はフリーフォールかカーブフォールの組み合わせ。
狙いのタナよりも少し上のタナまではフリーフォールで沈め、アジのタナ付近ではカーブフォールでしっかりと見せて食わせる、それだけです。
活性が低ければ軽い虫ヘッドや飛ばしウキ系などでゆっくり落し、活性が高ければ重めの虫ヘッドで一気にタナまで沈めてやるのがおすすめ。
アジは表層から底付近まで広いタナで釣れるため、しかもタナの上下が頻繁ですので、仕掛けを変えなくても簡単に全層探れるこの釣り方は理にかなっているというワケです。
マキエに同調させる必要はあまり感じませんが、マキエを切らすと群れを足止めできませんので、時合いが来たら数匹ずつパラパラと小まめに撒くことをおすすめいたします。
時合いがスタートしたのは18時半。
かっ飛びボールSSを10mほどキャストし、20秒フリーフォールで沈めてからゆっくりカーブフォールさせていると、すぐにティップが大きく入る明確なアタリがあり、30cmクラスがヒット。
アジングタックルでの尺クラスとのやりとりは、非常にスリリングで楽しめます。
この1匹が時合いの狼煙。
群れが接岸し、入れ食い状態がスタートします。
最初はやや中層でしたが、徐々にタナが上がり、フリーフォール10秒でもヒットするほど活性が高まったので、虫ヘッド1gのジグ単にチェンジ。
すると入れ食いのテンポが上がり、30cmクラスをメインに35cmまでが連続ヒット。
19時過ぎまでアジ祭りは続き、その後は一気に活性が下がってアジのアベレージサイズも下がり、中層~ボトム付近までの広いタナでぽつぽつと拾い釣り。
時折ガシラやメバルも混じり、22時の納竿までにアジは30匹釣れ、大満足で帰路につきました。
但馬海岸一帯では、これからしばらくの間、中~大アジが狙えます。
アジングでも釣れますが、エサ釣りが有利な状況も多いので、本格的なタックルを揃えなくてもお手持ちのライトタックルでエサ釣りが楽しめる「虫ヘッド釣法」にぜひチャレンジしてください。
■タックル
ロッド:アジングロッド
リール:小型スピニングリール
ライン:マイクロゲームフロロ2.5lb
虫ヘッド:1~2g
その他:かっ飛びボールSS
スタッフ 西浦伸至