コブダイアイランドといっても過言ではない淡路島エリアで、最も大型が狙えると言われているのが南あわじ市の沼島。
島のほとんどが磯場で、紀伊水道に面しているので潮通しも良く、チヌやマダイ、青物などが狙える好ポイント。
今回はそんな沼島の港の入口に設置された沼島一文字のコブダイの状況を調査するため、一人ぶらりと渡ってきました。
聞いた噂話でどこまで本当かはわかりませんが、ここには1mクラスのコブダイがいるらしいです。
こちらへ渡船されている川口渡船さんにおうかがいしたところ、この沼島一文字は3年前から工事中で、工事は8年後に完了する予定。毎日工事している訳ではなく、定期的に集中して行っているため、全く工事を行っていない期間は渡れるとのこと。
数日前に作業船や重機の引き上げがあったので、ナイスタイミングでの釣行でした。
出船は6:30。
土生港を出て、沼島一文字には10分ぐらいで到着。
他の皆さんは磯へ渡るので、200mほどの波止にいるのは私と海鳥のみ。
少し贅沢な気分です。
工事が入っていない南の先端に釣り座をとりました。
タックルの準備をする前に、まずはマキエ。
やらなくても釣れますが、やったほうが釣れます。
特にエサ取りが本格的に動き出す前が効果的です。
今回は近所のスーパーでレアなエサのワタリガニを手に入れたので、ハサミなどの不要なパーツをパラパラと撒いておきました。
試したことはありませんが、釣具屋さんに置いてある冷凍のタコガニでもよいでしょうし、むしろワタリガニより手に入りやすいので、お試しいただく価値はあると思います。
タックルはいつもメインで使っているPE1.2号+リーダー8号のシーバスタックルで、虫ヘッドパワーは潮がさほど動いていないので4gをセレクト。
ワタリガニの刺し方は、胴の適当に硬そうなところに鈎を刺すだけ。
もしかしたら何か他に有効な刺し方があるかもしれませんが、今のところこれですっぽ抜けたりしたことはありません。
ワタリガニのよい点は、ボリュームと適度なエサ持ち。
ボリュームがあって底へエサを落ち着かせやすくて根掛かりにくく、かつエサを完全にとられにくいのが◎です。
釣り方は基本的に底へエサを置いておくだけですが、沼島一文字の敷石は恐らく中央に大きな穴が開いているタイプで隙間が多く、敷石の中に落ち込まないよう常にエサを敷石の上に置いておくことをイメージして、時々流されたり、エサ取りに動かされていないかのチェックのため、2分に一度ぐらいの頻度で50cmほど持ち上げて様子を見ます。
コブダイの時合いは朝と夕。
朝まずめのヒットに期待しましたが、今年は水温が高いせいかエサ取りが多く、エサをいじられ続けるだけで時間は過ぎていきました。
朝まずめが終わっても本命のアタリがないので、
「工事していたからコブダイがいなくなってしまったのでは?」
「見回り船で磯へ移動しようかな…」
と少し諦めムードになった頃、待望のアタリ。
「コツン」と小さく当たった後、ラインを張って待っていると一気に竿先を持っていかれたので、竿を起こすようにしっかりとフッキング。
フッキングが決まると、コブダイは全く止まることなく沖へ走り続けました。
このままだと敷石の際で切られそうだったので、ハンドドラグで無理やりプレッシャーを加えて耐えていると、次は右へ走り、波止の角に回り込まれそうになりました。
波止の西面は1mほど高くなっており、このままだと波止の南西角で切られるので、ベールをフリーにして竿を波止の高場へ置き、急いで駆け上がって西面へ移動してやりとりを再開。
コブダイは波止に沿って北へ走り続け、10mほど走ったところで全く動かなくなりました。
根に入られたのでいつも通りテンションを加えたまま出てくるのを待ちますが、全く動く気配を見せません。
立ち位置を変えながらラインブレイク寸前まで引っ張っても動きませんでしたが、ヒットしたのは明らかに良型であると確信していたので、諦めずに待ち続けていると、恐らく10分ほどで動き出してくれました。
動き出したコブダイはまた北へ向かって走りました。
自分も動きながらいつものショートポンピングで浮かせようと試みますが、全く浮いてくれませんし、頭をこちらへ向かせることもできません。
それならば、と自分がコブダイの進行方向より前に走り、追い抜かれないよう移動しながら前方からポンピングすると、作戦は成功。
釣り座から50mほど離れた場所で何とかコブダイを浮かすことができました。
こうなればしめたもので、あとはゆっくりとタモがある釣り座へ戻ってランディング。
85cmの大型コブダイでした。
いきなりの大型のヒットに沼島のポテンシャルを実感し、タックルをPE2号のややヘビーなものにチェンジ。
しかし、せっかくのタックルチェンジにもかかわらず、その後72cmの良型と中コブは上げることができましたが、どうしようもない大型のヒットが2回あり、なす術もなく切られて未熟さを痛感。
「高い足場から竿をもっと前に出してやりとりしていれば、根ズレを防げたのではないか?」
「ラインの限界までドラグを締め込んでいれば、もしかしたら止めることができたのではないか?」
などと反省し、心の中でリベンジを誓いながら14時に納竿しました。
沼島一文字は大型コブダイ狙い、特にタンコブゲームのポイントとして非常に有望だと思いますので、大コブを釣りたい方はぜひチャレンジしてください。
釣行する前に工事中かの問い合わせはお忘れなく。
■釣行日:3月1日
■タックル1(ライト)
ロッド: GRANDAGE STD.96MH
リール:イグジストLT3000-XH
メインライン:PE1.2号
リーダー:フロロ8号3ヒロ
ジグヘッド:虫ヘッドパワー4g
■タックル2(ややヘビー)
ロッド: Foojin’BB 110H
リール:セルテートHD4000H
メインライン:PE2号
リーダー:フロロ8号3ヒロ
ジグヘッド:虫ヘッドパワー4g
スタッフ 西浦伸至